夢で見たもの by Albrecht Dürer - 1525年 夢で見たもの by Albrecht Dürer - 1525年

夢で見たもの

水彩 •
  • Albrecht Dürer - May 21, 1471 - April 6th, 1528 Albrecht Dürer 1525年

「1525年、聖霊降臨祭の後の水曜日と木曜日の間 (6月7日~8日) の夜、眠りの中でこんなものを見たのだが、何ともたくさん、巨大な水が天から降ってくる。最初に降ってきた水は、4マイルほど離れた地面を打ち、それも恐るべき力で、すさまじいどよめきと衝突音を立てて、陸全体を水浸しにした。あまりにも恐ろしかったので、別の水が降ってくる前に目が覚めた。それから、もう既にあり余るほどの水が降り注いだ後だった。ずっと遠くに降ったものもあれば、近くに降ったものもあり、そうした水が降ってきたのは非常に高いところからで、どれも同じぐらいの遅さで降ってきたように思えるほどだった。だが地面を打った最初の水は、近づくときには非常に素早く、風も引き連れてうなりを上げていたから、目が覚めたときにはとても怯えてしまっていて、体全体が震えて、しばらく我に返ることができなかった。それで、朝になって起き上がり、見たものをそのまま上に描いたのだ。神が全てを最善へと導いて下さいますように。」

これは、本日取り上げた奇妙な絵の下に書かれた文章を翻訳したものです。この水彩画は、アルブレヒト・デューラーが見た悪夢を視覚的に表したもの。ユニークな名画です――ルネサンス期やそれ以降の芸術家が生み出した作品の中で、似たようなものは思い当たりません。この作品は今、美術史美術館のウィーン美術収集室 (芸術と驚異の部屋) の蔵書に収録されています。現在は、ベストセラー本の著者であり芸術家でもある、エドマンド・ドゥ=ヴァールがキュレーターを務める展覧会「夜の間に」で展示されています。絶対に、今こそウィーンを訪れなくては :)

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