クリスマス・キャロル by Dante Gabriel Rossetti - 1867年 - 45.5 x 38 cm クリスマス・キャロル by Dante Gabriel Rossetti - 1867年 - 45.5 x 38 cm

クリスマス・キャロル

油彩/カンヴァス • 45.5 x 38 cm
  • Dante Gabriel Rossetti - 12 May 1828 - 9 April 1882 Dante Gabriel Rossetti 1867年

ロセッティの友人で工房の助手を務めていたヘンリー・トレフリー・ダンは、未発表の文書に本作についてこう書き留めています。「金色の糸で全体に刺繍が施された、華やかな東洋風の深紅の衣装をまとった乙女が、”今日、イエス・キリストが生まれた ハレルヤ”と歌いながら、弦楽器を奏でている。ロセッティは、イギリスの古い神秘的な物語に通じているから、この絵の主題もそこから発掘したに違いない。」このロセッティの作品は、ゆったりとした衣装を着て楽器を奏でる女性の半身像を描いた連作の最初期の1点です。

女性の美と音楽やエキゾチックな飾りのついた衣装との関係性は、英国の新たな美学的運動の中心的なテーマでした。それは、1860年代から1870年代にかけて流行した、ルネサンスと東洋芸術、古典主義の要素を包含した革新的な様式です。

この絵のモデルは、1863年にロセッティが見出したチェルシー・ストリートの貧しい洗濯女エレン・スミス。『クリスマス・キャロル』は、彼女をモデルにした作品の中でも後年のもので、ロセッティが描いたエレンの姿の内で最も精緻な作品です。画家は、自らの骨董品コレクションの一品だったエキゾチックで、凝った装飾の楽器に着想を得たようです。このネックの短いバイオリンのような楽器は、おそらくアルジェリアかチュニジアのラバーブと呼ばれる擦弦楽器で、つま弾くのではなく、弓を使って演奏します。

もう一度、メリークリスマス!アーサー・ラッカムのクリスマス・キャロルのイラストをこちらでご覧ください。