赤毛の女の肖像 by Juana Romani - 19世紀後半 - 116.5 x 80 cm 赤毛の女の肖像 by Juana Romani - 19世紀後半 - 116.5 x 80 cm

赤毛の女の肖像

油彩/板 • 116.5 x 80 cm
  • Juana Romani - 30 April 1867 - 1923/24 Juana Romani 19世紀後半

今日から女性史月間がスタート。これを機に、デイリーアートではできるだけ多くの女流画家を紹介していきます。ご存知かもしれませんが、私たちが紹介するのはパブリック・ドメインのもの、つまり古い作品に限られるのですが、女性は数世紀にわたって公式の美術史から忘れられた存在でした。でも、あきらめませんよ!これから1ヶ月間、アプリ、SNS、デイリーアート・マガジンで数多くの女流画家を採り上げていきます。中には私たちでさえ初めて聞く画家も。デイリーアートでは日替わりで5人の女性アーティストを紹介します。これは、私たちにとってとても意義深い企画です。

まずは、フアナ・ロマーニと、パワフルな女性を描いた彼女の作品から始めましょう。 フアナ・ロマーニ、本名ジョアナ・カロリーナ・カルレシーモはイタリアのヴェッレトリ生まれ。子どもの頃に家族と共にパリに移り住み、美術学校のモデルとして初めて絵画の世界に足を踏み入れます。19歳でジャン=ジャック・エンネルから絵の手ほどきを受け、その後フェルディナン・ロワベに師事、ほどなくして師の愛人になります。ロワベにならって歴史的な題材を採り上げると共に、若く、ミステリアスな、着飾った女性の肖像画を数多く描きました。下絵を描かずにカンヴァスに直接描き込むのを常としたロマーニは、とりわけ、モデルの青白い肌に合わせたルネサンス模様の上品な布地を正確に描写する技術に秀で、サロメなどの神話や聖書に登場するパワフルな女性を主題として描くこともありました。  1888年以降は、パリのサロンに定期的に出品して名声を得ると同時に、アトリエでの制作風景や最新のファッションに身を包んだ姿を撮影した写真を発表して、広く知られるようになりました。ロマーニをロワベの模倣だとする批評家もいますが(女流画家に対する典型的な批判です!)、彼女の才能と芸術的感受性が傑出していることは明らかです。 

もっと女流画家を!という方は、女流画家ノートをどうぞ。

P.S. 女流画家5人の自画像はこちら。おそらくご覧になったことがないと思いますが、必見です!