Tsukioka Yoshitoshi
私は月岡芳年の木版画を最近になって知り、すっかり魅了されてしまっていることを白状しなければなりません。浮世絵版画と肉筆画の最後の巨匠として知られる芳年は、浮世絵の偉大なイノベータの一人でもあります。今日の作品は『月百姿』シリーズの１点。ドラマチックな物語です！
悪代官高師直（画中左上の人物）は、塩冶判官の妻、顔世御前が絶世の美女だと知り、風呂上がりの姿を覗けるように手引きさせます。湯上りゆえ、美しい衣もまとわず、スッピンの顔世御前でしたが、それでも思いを募らせる師直。御前を我がものにしようと考えた師直は、ためらうことなく、夫を排除するべく一計を案じます。しかし、その策略は大いなる誤算を招き、夫のみならず御前までも死に至らしめたのです。
素敵な１週間のスタートを！
P.S. 芳年は、「血みどろ絵」とも言われた「無惨絵」も手掛けています。ホラー映画の一場面のような作品をこちらからどうぞ！