カディツ村周辺の雷雨 by Ernst Ferdinand Oehme - 1838年 - 99 x 142 cm カディツ村周辺の雷雨 by Ernst Ferdinand Oehme - 1838年 - 99 x 142 cm

カディツ村周辺の雷雨

油彩/カンヴァス • 99 x 142 cm
  • Ernst Ferdinand Oehme - 23 April 1797 - 10 April 1855 Ernst Ferdinand Oehme 1838年

ドレスデン美術館コレクションの特集月間が続きます。今日紹介するのは美しい風景画です!

エルベ川を行く2隻の帆船の帆が、ドラマチックに移ろう曇り空に鮮やかに映えています。一つは影、そしてもう一つは光の中。2隻の船を結ぶ線の先にあるのはカディツの教会の尖塔。小ぶりながらも構図の中心を成すそれは、その上空にある暗い雲の塊が斜め上に向かって流れているために、より一層輝いて見えます。その左右に広がる空は、一方は上に向かって開け、もう一方は雨の薄いヴェールに覆われながら遠くまで続いています。風が左手から画面に吹き込む様子は、銀線細工の網のように川面に広がる白い波頭で表現され、それと呼応するのは、嵐を受けてしなる柳の葉の一枚一枚を捉えようとする努力。画家のオーメは、右方向への全体の動きに対して、手前の船が風を斜めに受けるためにその帆を左に向けさせることで、構図にダイナミズムを与えているのです。

この作品は、オーメが1930年代後半から、規範であり師であったカスパー・ダーヴィト・フリードリヒやヨハン・クリスチャン・ダールの様式から次第に離れていったことをはっきりと示しています。フリードリヒの雄大さや、ダールが追求した絵画的な動きが、特に雲の描写に依然見られるものの、その色彩表現にはデュッセルドルフ派の新しい影響が見て取れます。既にエルンスト・フェルディナンド・オーメは、ドレスデンの風景画の中にフリードリヒ以上に物語性を見出そうとしており、例えば光の描写ではある程度の成功を収めています。それでも、デュッセルドルフの歴史画との邂逅の影響がまだ残っています。

P.S. 引き続き、オンライン・コースのスペシャル・プロモーションのお知らせです。すべてのコースを25%オフで受講できますよ!

P.P.S. カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは、ロマン主義の巨匠(時には気味の悪い絵も描きました)。フリードリヒらしい絵画6点をこちらからご覧ください!