パトモス島に島流しされる聖ヨハネ by John Thornton - 15世紀 パトモス島に島流しされる聖ヨハネ by John Thornton - 15世紀

パトモス島に島流しされる聖ヨハネ

ガラス、鉛、顔料 •
  • John Thornton - 1405 - 1433 John Thornton 15世紀

1405年、ガラス職人のジョン・ソーントンはヨークミンスター寺院参事会と契約し、大聖堂の東端に設置する幾段もの巨大な窓のデザインをすることとなりました。ヨハネの黙示録をテーマとし、ソーントンは完成までに3年間を与えられました。窓はそれぞれの題材に基づいた、数枚のセットで構成されていました。窓の上部分は天の父なる神に捧げられたもので、その下段には旧約聖書の場面が続き、一番下の列の窓にはこのプロジェクトの主な寄付者の姿が描かれています。このパネルは窓の中心部分に組み込まれていたものですが、その窓は81枚の一連のパネルから構成され、聖書だけでなくこの題材に焦点をあてた当時の写本にもよく見られるような、黙示録の中の場面を描いています。

黙示録を描いた一連の作品の11列目には、中世においてヨハネの黙示録の著者と広くみなされていた使徒ヨハネの、人生のうちの3つの場面が含まれていますが、その場面は聖人の生涯を集めた書として広く読まれた、非常に有名な『黄金伝説』の中に記されたものです。ここでは聖ヨハネが、伝道をしたことでドミティアヌス帝の手による拷問を受けた後、ギリシャのパトモス島に流刑となっています。窓の絵に基づけば、そこでヨハネは宣教の計画に着手し、有名な聖書の記述を書くという天からの霊感を得たことになっています。

東の大窓には何度か保存プロジェクトが行われており、一番最近のものは2011年に開始されました。2016年には、このキャンペーンにおける取組みがついに明かされ、多くの窓が本来持っていた壮大な華麗な姿を見せました。

- Stephanie Skenyon