パープル・ダチュラ

今日は、特別な絵のご紹介です。これから毎週日曜日、4回にわたって、米国の国立女性美術館の収蔵品から素晴らしい作品をご紹介していきます。作品は女性芸術家が制作した現代美術です。ぜひお楽しみに。

分子生物学者から転身した写真家であるエイミー・ラムは、彼女の科学的な観察眼と芸術家としての情熱を組み合わせて、印象的な大型の植物の肖像写真―被写体の多くは彼女自身が育てている植物です―を制作しています。「私は、鑑賞者が植物の視覚的な「魂」の中に入り込んでいけるように、たいていは自分の写真を大きなサイズで現像します。」と、ラムは語っています。

この写真では、ラムは光と影をうまく利用して、鑑賞者の注意をトランペットの形をした花の複雑さに引き付けています。ダチュラ（チョウセンアサガオ）の花は、筋のある根元から伸びていき、華やかなひだを持つ無数の花びら―この写真の構成の中心を成しています―へと広がっていきます。紫色と白色のまだら模様が、複雑な輪郭をはっきりとさせ、インクを垂らしたような背景から浮き上がるような効果をもたらしています。