コンポジション IX

穏やかさと壮大さを兼ね備えた今日の作品は、固定されたものと流動的なもの、有機的なものと構造化されたものを対比させ、モチーフとしての曲線に対する新しい視点も見られます。偉大な抽象画家ワシリー・カンディンスキーは著書『カンヴァス、空間他』の中で、インスピレーションを得た瞬間のことを語っています。「窓の外を見ていた彼は、沈黙して動きがない工場の煙突を目に留めた。突然、１本の煙突から煙が立ち昇り始めて風になびくと、色彩が変化し、すべての情景を完全に変えた。表面に浮かび上がる、変化するイメージに似たこの映像は、カンディンスキーには珍しい、対角線上に伸びる大胆な色彩の線と際立ったコントラストを成し、フォルムと色彩のダイナミックな相互作用を強調しているのだ。」

これは、カンディンスキーの「コンポジション」シリーズの中で最も小さい作品。このコンポジションという単語は、彼の例外的な作品群を指しています。その起源は「私の内面で同じ方法で（しかし、常に非常にゆっくりと）形作られた表現で、初期のスケッチ以降、かなりもったいぶったやり方で、長々と取り組んだものだ。私はこれを「コンポジション」と呼んでいる。ここでは、理性、意識、意図、有効性といったものが支配的な役割を果たしているが、常に優位に立つのは計算ではなく、感情だ。」

P.S. デイリーアート・ストアでは、カンディンスキーの「コンポジション」シリーズの別の作品の複製画をお求めになれます。あなたの部屋にピッタリですよ。

P.P.S. ワシリー・カンディンスキーは、最も有名な抽象画家の一人。知っておくべき５点の作品はこちら！以下のコラムも合せてご一読ください。