小さな滝のクリノリン by Jiha Moon - 2008年 小さな滝のクリノリン by Jiha Moon - 2008年

小さな滝のクリノリン

インク、アクリル絵具、韓紙 •
  • Jiha Moon - 1973 Jiha Moon 2008年

今日は国立女性美術館の収蔵作品と過ごす最後の日曜日です――現代の女性芸術家たちの作品を堪能していただけていましたら幸いです!

《小さな滝のクリノリン》は青緑の色調や一連の景色というモチーフを用いており、ジハ・ムーン作品の中でも、古典的なアジアの絵画を最も直接的に参考にした作品のうちの一つと言えます。一方で、作品下部に描き足された、鮮やかなピンクや赤のリボンのような形は、アニメーションや漫画に対する関心を反映しています。絵の中心近くに緻密に描かれた手は、西欧のルネサンス時代の人物習作に対して、ムーンが情熱を抱いていることを示しています。

ムーンが絵を描く過程には、偶然性と正確な手仕事の両方が含まれています。《小さな滝のクリノリン》や2000年代後半以降の作品の制作では、ムーンはアクリル絵の具を韓紙 (楮を原料とする手製の韓国の紙) に緩やかに塗り付けるという手法を用いています。次に、そうして生まれた抽象的な形が何を示唆するのか見定めます―—ロールシャッハ・テストと似ていなくもないですね。それから、持っている中でも一番細い絵筆を使って、具象的な形を構築するのです。この作品では、山の連なりや押し寄せる海、木の枝やうねり立つ波を想起させるために、さっと塗った色彩に輪郭を書き足しています。