競馬場の女性たち by Édouard Manet - 1866年 - 42.2 x 32.1 cm 競馬場の女性たち by Édouard Manet - 1866年 - 42.2 x 32.1 cm

競馬場の女性たち

油彩、キャンバス • 42.2 x 32.1 cm
  • Édouard Manet - 23 January 1832 - 30 April 1883 Édouard Manet 1866年

小さくも非常に優雅な作品、「競馬場の女性たち」を見ると、エドゥアール・マネが「フラヌール(遊歩者)」だったことがわかります。「フラヌール」とは、洗練された教養と鋭い観察眼を持ち、様々な出来事、都市の活動やファッションの移り変わり―つまりすべて―に対して気の利いたコメントをするために、目的をもって散歩するパリの男性に対して用いられた表現です。

 

「競馬場の女性たち」は、極端にスケッチのような粗い描写で描かれ、日光と影のきらめくような効果を作り出すために、大きく平面的な色の塗り方と大胆な後影が使われています。この絵は、マネのパリっ子たちの日常に対する冷静な観察眼を示しています。描かれた女性たちは、パリ郊外の華やかなブローニュの森で開かれている競馬の観客です。競馬は、そのころ英国から導入されたもので、裕福なパリっ子たちの間で最新の流行になっていました。女性たちは、シンプルですが質の良い服を身に着けており、日光から身を守るため、パラソルをさしています。一人は、トラックのほうを見ていますが、もうひとりは観客のほうをぼんやりと眺めています。マネは、正確な筆遣いで、人柄と自信に満ちた姿勢や態度、動きをとらえています。