ヨハン（？）・フォークトの肖像

ハリウッド俳優と不思議なほど似ているため、ヴロツワフのロバート・デ・ニーロとして知られるこのフォークトの肖像画は、当時のトップクラスの絵画です。描かれた男性はフォークト家の者で、立派に装飾された紋章がそのことを示しています。

しかし美術史家たちは、それがヨハン（ヴロツワフの地主であり町議員だった）なのか、ニクラス（ヴロツワフの知識階級の一人で、ヨハンより５歳だけ若かった）なのか、確信を持っていません。暗い背景と、表情に富む写実的な男性の顔の立体表現との対比は、この絵画の重要な特徴で、同類の北ヨーロッパの肖像画と、ドイツ美術の初期ルネサンスの伝統に当てはまります。男性の服装は図式的に表現され、はっきり輝く襟のある、町役人の濃色の衣服です。調査の結果、この絵画は、17世紀中央ヨーロッパの重要な画家の一人である、バーソロマエ・シュトローベルの作だということが分かりました。これはシュトローベルによる、あいまいで均質な背景の、最初の肖像画です。彼はのちの作品でそういった背景をよく用いました。興味深い細部もまた、正確な属性を証明しています。紋章下の日付の文字は、とりわけ数字の6と点の形が特徴的ですが、間違いなく画家自身の手描きによるものです。

それにしてもこの人、ロバート・デ・ニーロに似てますよね？？