ロジャーとアンジェリカ by Giovanni Biliverti - 1630年頃 ロジャーとアンジェリカ by Giovanni Biliverti - 1630年頃

ロジャーとアンジェリカ

油彩、キャンバス •
  • Giovanni Biliverti - 25 August 1585 - 16 July 1644 Giovanni Biliverti 1630年頃

この絵の場面は、詩人であり作家であったルドヴィーコ・アリオストが1516年に書いたイタリアの叙事詩「狂えるオルランド」の一場面です。

 

フランク人の騎士であるロジャーは、水竜から美しいアンジェリカを救い出したところです。若い裸の女性を前に冷静さを失いながら、彼はこの救出劇の余韻が残る状況を利用しようとしています。彼が不器用に武具を外そうとしている間に、アンジェリカは不可視の指輪―姿を隠してしまう魔力を持った指輪―を口に挟もうとしています。

 

背景では、ロジャーが乗っていたペガサスが、ロジャーより崇高な目的をもった騎士を探すために飛び立っています。ロジャーは、武具を外した後で一人取り残され、英雄的な戦いの中での自分の愚かなふるまいを埋め合わせようと、苦しみ、己を恥じることになります。

 

今日の一枚は、ディジョン市にあるこの絵を見つけ、リクエストとともにフランス語からの翻訳を手伝ってくれたエルベ・キーケイル(Herve Quicaille)とアンヌ・ロール(Anne Laure)のご協力でご紹介できました。ありがとうございました!