若い女性とその息子

この優雅な女性は貴族で、16世紀中期のフィレンツェ公爵、メディチ家のコジモ1世の宮廷のひとりだと思われます。華麗で高価な服装は、彼女が上流階級であることを証明します。厳格に姿勢を正す、その統制された振る舞いから、コジモ家のメンバーの肖像画であることがわかります。ブロンズィーノはその宮廷で一番の肖像画家で、彼が冷静に理想化し洗練させた絵画スタイルは、モデルへどれほど、大理石のような完璧さとよそよそしい高慢さを与えたのだろうかと考えさせられます。

パネルの隅に押し込められた小さな金髪の男の子は、後から描かれたもので、ブロンズィーノの二度目の作業で追加されました。X線写真技術により、女性はもともとひとりで座っており、右手をドレスへ置いていたことが明らかになりました。ブロンズィーノは、象牙色の肌の子どもを描き足しただけでなく、女性のファッションを最新にしました。ヘッドドレスは大きく、より手の込んだものになり、ドレスのパフフリーブは更に広がりました（緑の背景に塗り重ねられた体の輪郭線の暗いシルエットで変化がわかります）。手袋と、おそらく身頃のダマスク模様も、追加されたものです。

素敵な月曜日をお過ごしください！