トリエステ港 by Egon Schiele - 1907年 - 24.6 x 18 cm トリエステ港 by Egon Schiele - 1907年 - 24.6 x 18 cm

トリエステ港

油絵具、鉛筆、厚紙 • 24.6 x 18 cm
  • Egon Schiele - 12 June 1890 - 31 October 1918 Egon Schiele 1907年

1907年、17歳のエゴン・シーレはウィーン美術アカデミーの型にはまった教育からの脱却を試みるようになります。シーレはウィーン分離派のより革新的な美術、特にリーダーのグスタフ・クリムトの作品に引き寄せられます。師との出会いです。二人が初めて会ったのはおそらくウィーン分離派会館の近くのカフェ・ムゼウムで、二人はその後ともにクリムトの工房を訪れました。そこでシーレは自身の作品を披露し、クリムトから忘れられない感想をもらいます。「才能? もちろん、ありすぎるくらいだ。」

そのとても重要な年に描かれた、シーレの最も注目すべき油彩の一つが『トリエステ港』です。トリエステ港の船を描いたこの作品には、シーレが発展させたスタイルが垣間見えます。1907年にシーレが仲の良い妹ゲルティと一緒によく訪れていたトリエステは、両親の新婚旅行先であり、彼にとって思い入れの深い場所でした。そのため主題として選ばれたのでしょう。シーレを縛り付けていた家やアカデミーから離れた場所であるトリエステは、自身の美的感覚を追求しようとした彼へ自由を与えました。

シーレはよく、トリエステを訪れたことを懐かしんでいました。1912年に短期間勾留された時には、記憶を頼りにボートの絵を描きながら、トリエステの思い出に慰めを見出していました。「トリエステの夢を見ていた」と日記に綴り、海と、それが象徴する自由への深い想いを表しています。

この絵では、シーレの大胆な技巧、とりわけ映り込みの表現主義的な描写に、その並外れた才能が明らかです。乾ききっていない絵具を、鉛筆または筆の反対側で彫って描いたような型破りな方法で、見事に水面の反射をとらえています。

この素晴らしい絵画は、DailyArtショップで販売中の海・船・ビーチ ポストカード50枚セットにも入っていますよ。  

P.S. エゴン・シーレは傑出した風景画を何作か残していますが、最も有名なのは、20世紀の観衆に衝撃を与えたあのスキャンダラスなヌード画です! 

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