1630年代初頭、ファン・ホイエンはオランダの都市の眺望を描きました。ゴシック様式の大教会のシルエットを遠景に、アウデ・マース川(オールド・ムーズ川)の南方面からドルドレヒトの街の眺めを描いたこの作品は、水辺の風景画として秀逸の出来栄えです。 画家は、肩の力の抜けた筆さばきと、ところどころを極めて薄塗りにすることで、大気と水面の半ば透明感を持った動きを捉えています。全体を茶色の基調でまとめながら、青と緑の色合いを僅かに混ぜることで、この風景に漂う湿気を目の前にあるように見事に表現しています。
今日の作品は、ウイーン美術史美術館の協力で紹介しています。
オランダの風景画と言えばこれ。フェルメールの「デルフトの眺望」をご覧ください。