ジョルジュ・ミンヌは長年にわたって、ひざまずき、内省する若者をモチーフにしてきました。ミンヌは、最小限の手法で雄弁に表現することをこの作品で追求しています。「ひざまずく青年」は、禁欲的で様式化されたラインと、シンプルな意匠を探求してきたミンヌの到達点です。
このベルギーの彫刻家は、解剖学的な正確さにはこだわりませんでした。全身は引き伸ばされ、両手と頭はか細い体躯に対して不自然に大きく見えます。頭を垂れ、胸の前で両腕を組んだ姿は、神秘的でどこか宗教的な雰囲気を湛えています。
ミンヌの代表作である「ひざまずく青年」には、漆喰、ブロンズ、大理石のバージョンがあります。また、ドイツ人のコレクターの依頼で制作した「ひざまずく青年の泉」は、円形の盥の縁に同じような姿勢で5人の青年がひざまずく姿を表現した彫刻で、エッセンにあるフォルクヴァンク美術館が所蔵しています。
今日の作品は、私たちのお気に入りの一つ、オッテルローにあるクレラー・ミュラー美術館の協力で紹介しています。
P.S. 絵に描かれた彫刻家のアトリエはこちらでご覧ください。