リアリズムから印象派への移行期の主要な人物であり、19世紀に近代の都市生活を描いた最初の画家のひとり、エドワード・マネは1832年の今日生まれました。
この絵は、フランス・ハルスとディエゴ・ベラスケスに影響を受けていたマネの初期の画風の良い作例です。彼の一生涯にわたる「行楽」という画題に対する関心を示す良い例でもあります。この絵は、マネの同時代の画家、モネ、ルノワール、バジールなど、同様の画風で絵を描く大きなグループに影響を与えました。そのうち何人かの作品は、私たちのアーカイブで見ることができるでしょう。
この絵は、演奏する人々の姿はありませんが、パリの人々が、ルーヴル美術館の近くのテュイルリー庭園で毎週開かれていたコンサートに集まる様子を描いています。いくつかの点で、この絵は未完成だとみなされていますが、当時のテュイルリー庭園がどのような様子だったか、更には流れる音楽や人々の会話すらも伝わってくるようです。
手前に描かれている鉄製の椅子は、ちょうど1862年に木製の椅子から置き換えられたところでした。マネは、友人や画家や作家、音楽家だけでなく、自らもこの絵に描いています。マネは、左の奥のほうに、別の画家、アルベール・ド・バルロワと並んで描かれています。右側に座っているのは、彫刻家であり美術評論家でもあったザカリー・アストリュクです。マネの弟、ウジェーヌ・マネは、手前の正面に、白いズボンをはいた姿で、作曲家のジャック・オッフェンバックは、眼鏡をかけ、ひげを生やした姿で木に向かい合うように座っています。評論家のテオフィル・ゴーティエはひげを生やし茶色いスーツで木にもたれるように立っており、作家のシャルル・ボードレールはその左にいます。アンリ・ファンタン・ラトゥールは、ひげを生やしており、観客を眺める姿で、もっと左のほうに描かれています。髪のふさふさした中央の子供は、レオン・リーホフです。
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