赤毛の女 by Teodor Axentowicz - 1899 赤毛の女 by Teodor Axentowicz - 1899

赤毛の女

パステル •
  • Teodor Axentowicz - May 13, 1859 - August 26, 1938 Teodor Axentowicz 1899

  19世紀末、女性の肖像画が流行しました。モデルのあり方は女性の確かな解放と自由という空気によるところが大きかったのです。その頃しとやかで上品な女性モデルは人気でした。 美しい女性を描いた画家テオドール・アクセントウィクは描く値打ちがあるのは女性だけだと信じていました。彼は綺麗に着飾った裕福で美しい女性の肖像画で有名です。彼の作品の女性はそれぞれに洗練された衣装に身を包み、毛皮や、個性的な帽子、それに美しい宝石で飾られています。彼はこの赤毛のモデルを好んだと思われています。彼女の顔はポーランド芸術家協会のその後の展覧会のためのポスターの中にも確認できます。

この美しいモデルは誰なのでしょう?彼女はアタ(アマ)・ザクシェエンスカだと言われています。彼女と妹のナタについてはポーランドの詩人タデウシュ・ボーイ・ゼレンスキの随筆『Dogmatically』の中で言及されています。 その中でゼレンスキは「ナタは可愛いい、可愛いのはアマだ。でも一番愛らしいのはお母さんだ」と書き留めています。この言い回しはクラコーによって「かわいそうなアマ、かわいそうなナッティ、でも一番かわいそうなのはお父さんだ」 と変えられています。ボーイが 可愛いアマと呼んだのはアクセントウィクが描いたアンナ・テレサ・ザクシェエンスカで、彼女は1903年イタリア、シチリアの貴族アレッサンドロ・タスカ(1874−1943)と結婚しています。タスカは社会主義者であったので「赤の王子」として知られていました。タスカはまた作家として有名なジュゼッペ・トマーシ・ランペドゥーサの叔父でもあります。ナタの生涯についてもボーイ・ゼレンスキが言及したロシア王子との結婚同様あまり知られていません。

今日のパステル画は国立クラクフ美術館の所蔵です。

それではまた明日!

追記 この他に美術史において有名な赤毛の人物はエリザベス・シダルです。ダンテ・ガブリエル・ロセッティによって描かれたベアタ・ビアトリクスについてはこちらをお読みください!