人魚 by Howard Pyle - 1910年 - 57 7/8 x 40 1/8 インチ 人魚 by Howard Pyle - 1910年 - 57 7/8 x 40 1/8 インチ

人魚

油彩 • 57 7/8 x 40 1/8 インチ
  • Howard Pyle - March 5, 1853 - November 9, 1911 Howard Pyle 1910年

幻想的な物語のシーンのように、人魚が難破した男を救うために海の底から現れ、月明かりの空の下でお互いの青白いからだを抱きしめている。卓越したアメリカのイラストレーター、ハワード・パイルは瞬間的なドラマを巧みに捉えています。泡だらけの海の描写は潮風の匂いや押し寄せる波の音を想像させ、スケールの大きなキャンバスは鑑賞者を一瞬でそのシーンに連れていきます。 しかし同時に、パイルの絵画の特徴ですが、今起こったことと次に起こることを鑑賞者にじっくりと考させるのです。

アメリカの挿絵画家の父として知られるパイルは、挿絵によりただの文字列に命を吹き込みました。彼の鮮やかな想像から生み出されるキャラクター含め、すべてのキャラクターが現実的で信じられるようにするよう努めていました。ペンシルバニア州南東部にあるパイルの美術学校では、多くの生徒に絵を通してアクション、ドラマ、感情を伝える芸術について指導します(後に生徒の多くは有名な芸術家となります)。彼は度々、精巧な小道具を使って場面を演出し、生徒たちに「その描写に心を没頭させ、そこに入り込む」ように促しました。

パイルはアメリカ独立戦争などの歴史的な出来事やロビンフッドやアーサー王などの冒険物語に魅了されましたが、海のテーマ、具体的には海賊、難破船、報奨金といったものには特別な関心を抱いていました。興味深いことに、本作品「人魚」は未完成です。パイルが191011月にイタリアの巨大壁画を研究するためにイタリアへの長期の航海に出発したとき、キャンバスは彼のスタジオのイーゼルに残されていました。1年後、パイルはフィレンツェで亡くなります。彼のたくさんの生徒の1人であるFrank Schoonoverは、後に魚とカニを絵に加えましたが、作品完成のためにパイルがどうしようとしていたかは謎のままです。

 

- Martina Keogan

 

P.S. こちらでは女性の美しさと獣の醜さを併せ持つギリシャ神話の生き物について読むことができます。

 

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