フッラム皇子を金で量るジャハーンギール帝 by  Manohar - 1610 - 1615年 - 29.5 x 44.3 cm フッラム皇子を金で量るジャハーンギール帝 by  Manohar - 1610 - 1615年 - 29.5 x 44.3 cm

フッラム皇子を金で量るジャハーンギール帝

ムガル細密画 - インク・不透明水彩・金、紙 • 29.5 x 44.3 cm
  • Manohar - ? - 1620 Manohar 1610 - 1615年

この絵画は、非常に高く評価されている宮廷画家、マノハールの作品です。彼はムガル王室のアトリエの一員として、アクバルとその息子ジャハーンギールのもと、この上なく優れた作品を数多く制作しました。この絵はアクバルが始めたムガル王室の儀式を描いています。占星術師に計算された縁起のよい時間に執り行われる儀式で、皇帝もしくはその息子の一人を大きな天秤で量り、秤の片方には貧しい人々へ与えられる金や銀などの貴金属が載せられます。

天秤に脚を組み座る少年は若き皇子フッラムで、これは1607年7月31日、彼の15歳の誕生日のお祝いのとき。場所は、展示場か、もしくは飾りつき天蓋かシャミアナ(訳注:インドの儀式用テント)を張った庭でしょう。画面右上、木々が建物の間に見えます。フッラム皇子は脚を組んで天秤の片側に座り、もう片側には金銀の袋が複数あります。前景には、宝石で飾られたトレイがもういくつかあり、慈善品として用意された豊かな布地、宝石で飾られた短剣とナイフ、カップ、ソーサーや美しい宝石でいっぱいです。出席者には役人や高官がいますが、服にナスアタリーク体で名前が書かれているので、誰だかがわかります。王室の聖職者が天秤のロープを持ち、若い皇子のために祈りと祝福を唱えています。フッラム皇子は成長し、タージマハルを建設したシャー・ジャハーンとなりました。 

ムガルの巨万の富が、派手な財産の展示、建築、飾りたてた天秤、敷かれた豪華な絨毯によって表されています。マノハールによる、服やテント、カーペットの細かい模様の描写もまた、飾り縁と同じように魅力的です。フッラム皇子のすぐ下のカーペットの、踊る3人の女性にも注目です!

- Maya Tola

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