パラウ・アピ (知らせ) by Paul Gauguin - 1892年 - 92 x 67 cm パラウ・アピ (知らせ) by Paul Gauguin - 1892年 - 92 x 67 cm

パラウ・アピ (知らせ)

• 92 x 67 cm
  • Paul Gauguin - June 7, 1848 - May 8, 1903 Paul Gauguin 1892年

この絵画は1892年、ポール・ゴーギャンがタヒチに滞在してから2年目までの間に描かれました。文明社会から離れたこの南洋の島で、ゴーギャンは (失敗に終わったものの) 原始的な楽園を見出すことを望んでいました。タヒチは昔は宣教師の影響を受けたり、当時はフランス植民地としての統治がなされていたりと、周囲から支配されるような状況に置かれていました。その中で島には憂鬱な雰囲気が漂っており、ゴーギャンはしばしばそれをモデルに投影させて描いています。ドレスデンに展示されたこの絵画にも明らかにそれが表れています。非常に美しい二人の彫刻のような姿がクローズアップで描かれ、絵画の中の大部分を占めています。二人の見た目が似ていることからは、それぞれの人物を描くのに同じモデルが用いられたことが示唆されます。これ以前に描かれた同じモチーフの絵画、≪タヒチの女たち≫はパリのオルセー美術館で展示されています。

黒い輪郭や、服の上の抽象的な模様、小枝、果物、絵画の端にある箱といった物たちが、絵画の装飾的な強烈さを強調しています。ゴーギャンは力強い原色を用いて、この形と線の統合において根本となるデザインの要素としました。黄色と青、赤と緑という補色同士のコントラストは、実際に目で見た印象を再現することを目的とはしておらず、絵画的な効果を強め、翳ることのない日光の印象を鑑賞者に与えています。視線が集まる中心となる点がないことにより、明度の高さの重要性が増しています。まぶしいほどの黄色い背景は、おそらく家の中庭を表しているのでしょうが、鑑賞者の視線を遠くへと導きます。右側に描かれた木の柱が、緑っぽい青色の細い帯でぼんやりとだけ表された風景へと目を向けさせるのです。作品を通して、ゴーギャンはナビ派や象徴主義に影響を与えただけでなく、綜合主義を他の芸術家とともに作り上げ、表現主義の礎ともなりました。

本日の素晴らしい作品は、ドレスデン美術館のご協力のもとお送りいたします。 <3

P.S. ポール・ゴーギャンは巨匠かそれとも怪物か?ゴーギャンがタヒチで過ごした日々についてはこちら

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