アルノルフィーニ夫妻像 by Jan van Eyck - 1434年 - 82 x 60 cm アルノルフィーニ夫妻像 by Jan van Eyck - 1434年 - 82 x 60 cm

アルノルフィーニ夫妻像

油彩、木版 • 82 x 60 cm
  • Jan van Eyck - before c. 1390 - July 9, 1441 Jan van Eyck 1434年

《アルノルフィーニ夫妻像》は1434年、初期ネーデルラント派の画家ヤン・ファン・エイクによってオークのパネルに描かれた油彩画です。二人の人物の全身像の形をとっており、イタリアの商人ジョヴァンニ・ディ・ニコラ・アルノルフィーニとその妻が、おそらくフランドルのブルッヘの自宅にいるところを描いたものだと考えられています。

その美しさ、複雑に組み合わさって描かれた象徴的事物、幾何学的に直交する遠近法の描き方、鏡を用いた絵画空間の拡張といった点から、西洋芸術の絵画の中でも最も独創的かつ複雑な絵画の一つであるとされています。

この二人はすでに結婚していたと考えられますが、そのことは女性の頭飾りを見ればわかります (未婚の女性であれば髪を下ろしているはずです)。二人の立ち位置は、15世紀の慣習的な結婚観と性役割を表しています。描かれた女性がベッドの近くに立っていて部屋の奥側にいるということは、家の世話をする人という役割を象徴しており、女性が家庭的な役割に固定される様を表しているのに対して、ジョヴァンニは開かれた窓のそばに立っており、外の世界における男性の役割を象徴しています。夫であるジョヴァンニ・アルノルフィーニが鑑賞者と直接目を合わせているのに対し、妻は夫に従順なまなざしを向けています。夫は片方の手を垂直に上げ、権威によって他者に命ずることのできる立場であることを示しているのに対し、妻の手は低く地面と平行に下ろされており、夫よりも服従的なポーズをとっています。 

多くの鑑賞者が、描かれた妻は妊娠しているのではないかと考えるのですが、実際は違うと考えられています。美術史学者らは、多くの絵画の中で処女の聖人が似たような服装をしていることを指摘しており、こうした格好が当時の女性の服装として流行っていたのだと考えています。アルノルフィーニは布地を売る商人でしたから、ファッションというのは欠かせないものだったのかもしれませんね。

それから、新婚のカップルたちがロマンティックな結婚式を挙げられるように祈りたいと思います。Ania & Piotrek、Kara & Jono、おめでとう!

P.S. あなたにもきっと二人一緒の幸せな未来を届けてくれる、結婚に関する絵のまとめはこちら<3

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