今日ご紹介するのはポルトガル産、アズレージョという特殊な陶芸作品です。ヨーロッパのファイアンス焼きの一種で上薬をかけられ焼かれたタイルに装飾を施したものです。原点はヒスパノ=モレスクの焼きタイル産業とイタリアのマヨリカ焼きで16世紀にスペインとポルトガルで生産され今に受け継がれています。
このようなアズレージョは城、教会、家屋、学校といった建物の内壁や外壁を飾り、装飾品でありながら気温調整にも役立っています。色とりどりのタイルもあればこのように中国の陶器の影響を受け白地に青の絵付けのものもありました。この作品はフランスの男性が田舎町に城を建てる際、装飾をポルトガルの工場に委託したものです。この城はアズレージョに彩られ18世紀の風景が描かれています。
またこのアズレージョはジョセフ・ベルネ作、「難破船」を模写したものだと工場のサインと共に作品の下に書かれています。エッチングを用いた原作と違い実は左右逆に描かれており、作者はタイルを一枚ずつ仕上げ、また一枚ずつ壁に設置しました。
コラライン・メリック
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