種まく人 by フィンセント・ ファン・ゴッホ - 1888年11月 - 32.5 cm x 40.3 cm 種まく人 by フィンセント・ ファン・ゴッホ - 1888年11月 - 32.5 cm x 40.3 cm

種まく人

油彩、キャンバス • 32.5 cm x 40.3 cm
  • フィンセント・ ファン・ゴッホ - 1853年3月30日 - 1890年7月29日 フィンセント・ ファン・ゴッホ 1888年11月

DailyArtをご利用の皆様、もし芸術的な2020年のカレンダーをお探しなら、ぴったりのものをご用意しております!新しいDailyArtのオンラインショップで、お買い求めになれる商品をぜひチェックしてください。現在、女性芸術家を特集した壁掛けマンスリーカレンダー、名画が詰まった壁掛けマンスリーカレンダー、そして美しい名画とそれにまつわる短いお話がいっぱいの卓上ウィークリーカレンダーを販売中です。ご家族やご友人への素敵なクリスマスプレゼントとしていかがでしょうか :) 世界中どこでも発送いたします!

フィンセント・ファン・ゴッホは、フランスの芸術家ジャン=フランソワ・ミレーの作品を非常に敬愛していました。ミレーのように、農民の暮らしを描いてみたかったのです。ゴッホは最終的にこの志を諦めて自分の方向性を見出しましたが、ミレーのことを完全に忘れ去ることはありませんでした。ミレーは、田舎の生活を見事に描くフランス人画家として知られていました。ゴッホは、農家育ちで自らの出自に誇りを持つ素朴な男という、ミレーの人生の物語の中に自信を投影しました。このことが、ミレーと全く同じように農民の暮らしを描こうという、ゴッホが導き出した答えを後押ししました。ミレーは農民を自らの作品の焦点とし、尊敬の念を込めて描きあげましたが、こうしたことは当時新しい考えだったのです。

ゴッホはミレーの作品をじっくりと観察しました。畑で働く農民の習作を数えきれないほど描き、ミレーの作品を完全に真似した絵まで生み出しました。こうしてゴッホは芸術家としての練習を積み、上達しようと試みたのです。ミレーの作品に出会い、ゴッホはミレーの≪種まく人≫にあっという間に魅了されてしまいました。それまでもゴッホはミレーを真似た絵を何度も描いていましたが、ゴッホは自分なりの種まく人を描くことを強く望んでいました。1888年の秋、ゴッホは種をまく農民を描きましたが、その際にこれまで培ってきたものを全て組み合わせました。黄色と紫の鮮やかなコントラスト、絵を横切る対角線、そして色によって大きく区切られた平面的な画面、これらは日本の版画からの影響を受けて習得したものです。これはゴッホなりの、いわば現代版≪種まく人≫なのです。

本日の絵画はファン・ゴッホ美術館のご協力のもとお届けしておりますが、ここでは1月12日まで「ジャン=フランソワ・ミレー:近代美術の種をまいた人」展が開かれています。この展示はミレーの作品が、フィンセント・ファン・ゴッホ、カミーユ・ピサロ、ジョルジュ・スーラ、クロード・モネ、ジョヴァンニ・セガンティーニ、ウィンスロー・ホーマー、パウラ・モーダーゾーン=ベッカー、エドヴァルド・ムンク、カジミール・マレーヴィチ、サルバドール・ダリといった数知れぬ有名な画家たちにどのような影響を与えたのかを探る、初めての展示です。

それにしても美しい絵でしょう?フィンセント・ファン・ゴッホと恋人たちのお話はこちら