お針子アンの頭部の習作 by Anna Ancher - 1890 お針子アンの頭部の習作 by Anna Ancher - 1890

お針子アンの頭部の習作

油彩 キャンバス •
  • Anna Ancher - 18 August 1859 - 15 April 1935 Anna Ancher 1890

今週の肖像画シリーズはなんて素敵なんでしょう!

今日とりあげる作品を描いたアンナ・アンカーを知っていますか?デンマークが誇る偉大な画家です。

アンナ・アンカーの色使いはとても個性的なことで知られていました。彼女は明るい黄色やピンク、紫色など鮮やかな色の虜でした。その色使いを見ると、彼女が他と違うことを恐れず、デンマークの地方都市スカーゲンの画家達の輪の外に立つ勇気を持っていたことがわかります。

アンナはコペンハーゲンでもパリ展を見ていましたが、1885年から1889年にかけてパリを旅行して最新の色彩実験を目の当たりにしました。フランスの印象派画家達は 印象を鮮やかに表現するために黄色と紫、オレンジ色と青、緑と赤などの補色を使い始めていました。アンナもこの試みを多くの習作に取り入れています。さらにそんな印象派さえ超えて、現実と色とを完全に引き離す方向に進んでいた画家もいました。フランスのポール・ゴーギャンがそんな画家の一人ですが、アンナは彼の大胆な色使いも目撃しました。

アンナ自身も独自の試みを行ないました。彼女は、パリの大胆で野性的な色彩と、黄土色や赤褐色などデンマーク伝統の素朴なアースカラーとを組み合わせ、独自の色合いを生み出したのです。それは印象派画家達が使ったことのない色彩でした。アンナはこうして故郷の伝統的な色とフランスの前衛芸術との融合を果たしたのです。このような彼女の色使いは独特なものと認められ、デンマーク最初の現代画家としての地位を確立しました。

今日の作品はコペンハーゲン国立美術館の所蔵です。この絵はまたスケーエン美術館にも属しています。コロナウイルスの影響で閉館していなければここでアンナ・アンカー展が開かれているはずでした。でも幸いなことに私たちは彼女の作品をオンラインで見ることができます。

P.S. アンナ・アンカーはパリを旅しました。私たちも行ってみましょう!パリの歴史的な建物をこちらの10の素晴らしい絵画で訪ねることができます。