アルバート・ビアスタットは、米国西部を描いた作品で知られる画家。1830年、プロシアのゾーリンゲンで生まれ、幼少年期をマサチューセッツで過ごしました。独学で絵を学び始め、スケッチのレッスンを受けた後、デュッセルドルフの美術学校に入学します。彼はドイツでの日々を通じて、画家としての腕を磨き、独自のスタイルを確立しました。ヨーロッパから戻ると、米国西部を旅して周り、その後ほどなくして『西部』をテーマにした連作を発表し始めます。
旅の間にビアスタットは、カリフォルニアの数々の風光明媚な景観を訪れ、それらを記録した素晴らしい作品を制作しました。この絵は、カリフォルニア北部に近いファラロン諸島を旅した時の1点。畏敬の念を起こさせるような彼のいつものスタイルとはやや趣は異なるものの、ドラマチックな描写は受け継がれています。描かれているのは、太平洋の荒波の只中のドラマ。右手の大きな波が構図を支配し、前景の岩場には3頭のアザラシ、海中にも3頭、その内の1頭は魚をくわえています。後景の岩場の上は群れであふれています。
- Maya Tola
P.S. カンヴァス上に様々な主題のドラマを再現した画家は、アルバート・ビアスタットの他にもいます。アートの中のドラマチックなシーンをのぞいてみましょう。こちらからどうぞ!
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