谷あるいは別れ by Arthur Hacker - 1913年 - 153 x 122.2 cm 谷あるいは別れ by Arthur Hacker - 1913年 - 153 x 122.2 cm

谷あるいは別れ

油彩/カンヴァス • 153 x 122.2 cm
  • Arthur Hacker - 25 September 1858 - 12 November 1919 Arthur Hacker 1913年

この幽玄な趣を持つ作品には、独特な雰囲気を湛えた深い森の中で、二人の女性が無言で別れる姿が描かれています。足元に落ちているトケイソウは謎めき、ほのめかすようなタイトルが胸を打ちます。アーサー・ハッカーの長く、成功に満ちた画業の晩年に制作されたこの作品は、後戻り不能の変化をもたらすことになる第一次世界大戦の予感をはらんでいるようです。

彫刻家を父に持つアーサー・ハッカーは、1876年から1880年にかけてロイヤル・アカデミーで学び、その後パリのレオン・ボナのアトリエで経験を積みます。20歳でロイヤル・アカデミーに初出品して早くも注目を集めたハッカーは、1880年代初頭にパリ、スペイン、北アフリカを旅しました。北アフリカの旅は、1887年にロンドンのグロブナー・ギャラリーに展示された『ペラギアとピラムモン』の情景設定に反映されています。1893年にはロイヤル・アカデミーの準会員に、そして1910年には正会員に任じられました。晩年は、女性のヌードや宗教的主題の英国的な画風は影をひそめ、肖像画の制作に力を注ぎました。

P.S. 第一次世界大戦がアートに与えた影響については、こちらをご覧ください。