扇子を持つ女性 by Mary Cassatt - 1878/1879年頃 - 85.5 x 65.1 cm 扇子を持つ女性 by Mary Cassatt - 1878/1879年頃 - 85.5 x 65.1 cm

扇子を持つ女性

油彩/カンヴァス • 85.5 x 65.1 cm
  • Mary Cassatt - May 22, 1844 - June 14, 1926 Mary Cassatt 1878/1879年頃

1844年の今日、アメリカの画家、版画家のメアリー・カサットが生まれました。彼女は、フランス印象派の発展に重要な役割を果たした画家の一人です。生まれたのはペンシルベニア州アレゲニーですが、成人してからの大半をフランスで暮らし、エドガー・ドガと友人になり、印象派展にも出品しました。

緩やかな筆致のこの肖像画に描かれているのは、広げた金色の扇子を膝の上に置いて座る、色白の女性の腰から上の姿。視認できる筆遣いの跡は、柔らかな印象派らしい雰囲気を生み出しており、特に背景と服の一部は細部の描写が曖昧なまま。女性は、鑑賞者から見てやや左に体を傾け、視線も左に向けられています。あごを心持ち引き、焦点の定まらない黒い眼と薄い眉。楕円形の顔は、広がった真っすぐの鼻と、閉じられた淡いピンク色の唇が特徴的です。

あごの下で結んだ白いスカーフで縁取られた、後ろで束ねた茶色の髪。セロリ・グリーンとバター・イエローの点描と筆触で彩られ、藤色の陰影がアクセントになっているハイネックのドレスを着ています。前腕でまくられたドレスの袖口は鮮やかな朱色。女性が座っているのは、同系色の淡いグリーン、イエローに僅かに赤を加えた色調で描かれた、背もたれが丸みを帯びた布張りのソファです。

女性の背後にある枠付きの鏡がソファの背面と女性の頭部を映し、画面に奥行きを与えています。画面右上隅の描き方は特に大ざっぱで、白、赤、グリーン、ブルーの表現力に富んだ筆致が特徴的。まさに印象派らしい傑作です。

フランス印象派のオンライン・メガコースでは、カサットとその印象派とのつながりについて学ぶことができます。ゴシップ・ネタもお楽しみいただけますよ!メアリー・カサットの誕生日を記念して、今日に限り、25%オフでご提供します!

P.S. 最も重要なアメリカの画家の一人、メアリー・カサットの生涯と芸術についてはこちら