1892年、ブリュッセルの美術学校を修了したヘンリ・イヴェネプールはパリに移り住みました。多くの画家達同様彼も革新的なフランスの芸術に惹かれたのです。この時期は彼の円熟期で、友人のスペイン人フランシスコ・イトゥリーノ を描いたこの作品もこの頃のものです。大きめのケープを身にまとった地味な男がムーラン・ルージュ周辺のいつもの情景の中で描かれています。後ろに見えるのが活気あふれる赤い屋根のムーラン・ルージュです。調和のとれた色彩、力強い構図、冷静かつ堂々たるポーズで大衆から離れて立つ人物の姿。大変印象に残る作品です。スタジオで撮った写真から、画家が背景より先に人物を描いたことがわかっています。この絵はイヴェネプールが美術館に売却した唯一の作品です。
こういう絵をみるとパリが恋しくてたまらなくなります。1900年頃のパリに住んでみたかった!今日の作品はベルギーのヘント美術館の所蔵です。
P.S. あなたもパリが恋しいですか?だったらこちらの10点からパリの名所巡りがお勧めです。