夕暮れのポンティーン湿原 by August Kopisch - 1848年 - 111 x 62 cm 夕暮れのポンティーン湿原 by August Kopisch - 1848年 - 111 x 62 cm

夕暮れのポンティーン湿原

油彩/カンヴァス • 111 x 62 cm
  • August Kopisch - 26 May 1799 - 6 February 1853 August Kopisch 1848年

ブラック・バッファローの群れが棲息し、しばしばローマを苦しめたマラリアの発生源だったポンティーン湿原の湿気に満ちた情景は、かつてローマ南東部アッピア街道の両側に広がっていました。古代の排水システムが機能不全に陥った後は、20世紀まで湿原から再び排水されることはありませんでした。コピッシュはパトロンに宛てた手紙の中でこの絵について記しています。「ポンティーン湿原の向こうのティレニア海を見渡せば、丸い太陽が今にも沈んでいく。シロッコ(訳注:初夏にサハラ砂漠から吹く南風)が吹く紅の空が湿原の水面に映え、その水はニンファエウス川が海へと運ぶ。背景の左手では、かつて遠方まで広がるポンザ諸島を構成するキルケ島だった、葦が生い茂る平原からモンテ・チルチェッロの岬が立ち上がる。川の右側にはカエサルの時代から続く古びた水路。前景には古代ローマと中世の折衷様式の、円塔のある城跡。点景には、川を渡る野生のバッファローの群れ。」 

前景を抑え、遠方へと向かう上からの視線。光が生み出す極彩色の現象へのコピッシュの関心は、彼が(エルネスト・フライズと共に)カプリ島の青の洞窟(デイリーアートのアーカイブで見れますよ)を再発見したことで一層強くなりました。 この作品では、光という原初的な現象や光景が、神の存在以上に物理的な力の存在を明示しているようです。

この絵の主題は、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒのようなドイツ・ロマン主義の画家が長年好んだモチーフです。フリードリヒの代表作をこちらからご覧ください。

今日の作品は、ベルリン美術館ナショナル・ギャラリーの協力で紹介しました。

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