エドゥアール・ヴュイヤールは、ナビ派創設メンバーの一人に数えられるフランスの画家。権威あるアカデミー・ジュリアンとエコール・デ・ボザールで絵画を学びましたが、色彩に対するアプローチはむしろ自然主義的で、単純化された形状を特徴としていました。ヴュイヤールは、自身が受けてきた絵画教育に則った手法は 息苦しいものとして横に置き、織物やタペストリーのような質感のスタイルを貫きます。これはおそらく、お針子だった母親に育てられた影響でしょう。
ヴュイヤールの物事に対する見方や興味深い生活については、詳細を記した日記のおかげでよく知られています。日記をつける習慣は彼が終生続けたもの。室内の情景の描写で知られるヴュイヤールの作品は、親密な雰囲気にあふれる一方で、部外者の視点も忘れませんでした。
この作品には、画家とモデルの間の親密さが表れています。モデルのルーシー・ヘッセルは、スイス人の画商ジョス・ヘッセルの妻。ルーシーに魅せられ、多くの時間を捧げたヴュイヤールは、支援者だけでなくミューズでもあった彼女をモデルにした作品を100点以上制作しています。本作のように豪華でくつろいだ雰囲気の中で描かれることが多かったルーシー。彼女の背後には、前景から切り離されたように読書にふける夫ジョスが見えます。
画家は終生ルーシーと親密な間柄を続けます。二人は毎日のように食事を共にし、時にはバカンスを一緒に過ごしました。彼女は親友であり、相談相手でもあり、愛人でもあったのかもしれません。二人の関係は、夫のジョスも認めていたと考えられています。ヴュイヤールは、1940年、ヘッセルの海辺の家に向かう途中、サン=ナゼールに近いラボールでこの世を去りました。
- Maya Tola
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P.P.S. ヴュイヤールにインスピレーションを与えた女性たちについては、こちらをご覧ください!