サットン・フーの兜 by Unknown Artist - 600年初頭 - 31.5 x 25.5 x 21.5 cm サットン・フーの兜 by Unknown Artist - 600年初頭 - 31.5 x 25.5 x 21.5 cm

サットン・フーの兜

鉄, 銅, 金, 銀, 錫, ガーネット • 31.5 x 25.5 x 21.5 cm
  • Unknown Artist Unknown Artist 600年初頭

デイリーアート・マガジンの今週のテーマは中世。今日は中世初期の作品です!

この凝った装飾を施した兜は、1939年にサットン・フーの船葬墓から発掘されたアングロサクソンの兜です。625年頃に埋葬されたこの副葬品は、イースト・アングリア王国のレドワルド王が所有していたものというのが通説。その精巧な装飾ゆえに、王冠に次ぐ役割を果たしていたと考えられています。いざ戦争となれば、充分な防御機能を持つ武具となる一方で、豪華で権威ある金属加工装飾品でもありました。「考古学史上、最も目を見張る発見の一つ」であるサットン・フーの中でも「特に象徴的な一品」とされ、アングロサクソンの工芸品としても極めて重要な資料です。

眉毛、鼻、口ひげに装飾を施した面をつけ、頭部を飾りつけた男性は、翼を広げて天に昇るドラゴンの姿を模していました。それは、中世初期のシンボルとなったのです。美しいですよね?

P.S. 小説や映画の題材にもなった、この神秘的な財宝についてもっと知りたい方は、霧深いイースト・アングリアの田園地帯を訪れてみてください。こちらからどうぞ。