聖母子像 by  Masaccio - 1426年 - 134.8 x 73.5 cm 聖母子像 by  Masaccio - 1426年 - 134.8 x 73.5 cm

聖母子像

テンペラ 木板 • 134.8 x 73.5 cm
  • Masaccio - December 21, 1401 - summer 1428 Masaccio 1426年

正直に言います。デイリー・アートのスタッフは皆んなルネッサンス期に描かれた赤ちゃんのイエス・キリストが大好きなんです。後で詳しく書きますがこの赤ちゃんイエスは葡萄を口にしています。でもタバコでも吸っているみたいでしょう?私のお気に入りです。

これはピサにあったサンタ・マリア・デル・カルミネ教会のために作られた巨大な祭壇の中央部のパネルの絵でした。聖母のどっしりした佇まいは同時代のフィレンツェ彫刻に通じるものがあります。玉座には影が描かれています。キリストの体はリアルで立体的です。画家マサッチオは実際の光線を忠実に描いていて、光の当たるところはより明るくなっています。このように聖母子をあたかも普通の人間のように描くことは画期的で、当時大きな影響を与えました。

マサッチオは一点透視法という新しい手法も用いています。これによって絵の中に奥行きが生まれています。また天使が持つリュートの向きがV字型の構図をくっきりと作っています。

このキリストは葡萄を食べています。これはキリスト教信者がキリストの十字架の血を覚えるために聖餐式で飲むワインを連想させます。この絵の上部にはその場面も描かれていたことでしょう。

P.S. こちらを読めば、中世に描かれたキリストの赤ちゃん時代がお爺さんみたいに見える理由がわかるでしょう。対してこちら。本当に可愛い赤ちゃん大集合!(締めくくりにはちょっとびっくりな絵もご紹介!)