パラス・アテナ by グスタフ クリムト - 1898年 - 75×75 cm パラス・アテナ by グスタフ クリムト - 1898年 - 75×75 cm

パラス・アテナ

油彩/カンヴァス • 75×75 cm
  • グスタフ クリムト - 1862年7月14日 - 1918年2月6日 グスタフ クリムト 1898年

世界でもっとも有名な芸術家の一人であるグフタフ・クリムトは、1862年のこの日に生まれました。

本作で彼は、オリンポス山の知恵と戦術の女神であるアテナを描いています。クリムトの多くのアテナの絵では、古代から由来したギリシャ・ローマ神話の図像学がそのまま用いられています。今日紹介している絵画には、圧倒的な性的特質を持つ彼の有名な“ファム・ファタル”、たとえば『ホロフェルネスの首を持つユディト』(1901年)や『ダナエ』(1907~8年)(DailyArtのアーカイブでご覧ください)とはまったく違った人物が描かれています。本作でクリムトがより面白さを感じたのは、アテナの性別よりも神格でした。古代神話で彼女が明示した性の多義性を考慮すれば、それは驚くことではありません。おそらくクリムトは、力とは性的本能の触媒であるということを含意しています。力とは、人間の行動におけるもっとも重要な性的刺激の一つであり、力への渇望は性的な欲望と強く結びついているのだと、歴史が長らく暗示してきたのと同じように。いずれにしても、このどこか性別を越えたギリシャの女神は、クリムト作品のもっとも力強い女性となりました。

皆さん、素敵な水曜日をお過ごしください!

P.S. こちらでは、知られざるクリムトの風景画の世界を探索できます。きっと驚きますよ!