今日紹介するのはヘラジカの皮に描かれた絵。そこに展開しているのは野営の場面。テントにサンダンス、頭を下げたバッファローの姿が見えるポールの上には鷲が描き加えられています。村に足を踏み入れる盛装した兵士。端には火のそばに座る女性の一団。外周を取り囲むのは、ライフル銃を持ってバッファロー狩りをする、馬に乗った男たち。皮を剥がれたバッファローが、頭部と皮、蹄に分解されて積み上げられています。
この絵が描かれた1900年までには、東ショショーニ族はワイオミング州のウインド・リバー居留地に押し込められ、画家(おそらくコッツィオゴ)は生活のために観光業に活路を見出すようになっていました。バッファロー狩り、獲物を解体する女性たち、野営地に戻る騎乗の兵士たち。居留地が設けられる以前の「狼とサンダンス」の時代を思い起こさせるノスタルジックな作品です。
1860年代を待たずに、ネイティブ・アメリカンは米国政府によって生活域を居留地に制限され、白人の開拓民が彼らの領地を占有するようになります。ショショーニ族の土地は、現在のカリフォルニア州南東部、ネバダ州の中部と東部、ユタ州北西部、アイダホ州南部、ワイオミング州西部にわたる広大な領域でした。
P.S. アートによって祖先への崇敬の念を表現したネイティブ・アメリカンの女性画家ジョアン・ヒルについては、こちらをご覧ください。