Anna Ancher
アンナ・アンカーはデンマークの芸術家で、デンマークのユトランド半島の北端に位置する画家集落、スケーエンの画家です。彼女はデンマークの偉大な画家の一人とされていますが、その理由は本作を見れば明らかです。この絵では、アンナとミカエル・アンカー（彼もまた著名な画家でした）の娘、ヘルガ・アンカーがかぎ編みをしながら座っています。ヘルガが座っているのは、ブロンダムズ・ホテル（今も存在します！）と呼ばれる建物の青い部屋。アンナ・アンカーの多くの作品と同じように活発な動きはありませんが、そのかわりに、室内にはゆらめく陽光、絵全体には青と黄という色相のコントラストがあり、それらはこの絵のテーマです。陽光はかぎ編みに夢中なヘルガの左の青い壁に、ほぼ実体を伴って現れています。アンナ・アンカーの描く人物は、鑑賞者の存在に気がつかないほど仕事に没頭している姿であることがよくあります。左上の角には聖母マリアの絵が架けられおり、彼女はヘルガをまっすぐ見つめているようです。
P.S. 多くの画家が夕暮れ時を好んで描きました。それは一日で一番、まばゆい光に溢れ、深い影が落ちる瞬間です。最高に美しい夕暮れ時の絵を何作かどうぞ。
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