ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像 by Giuseppe Arcimboldo - 1590年 - 56 x 68 cm ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像 by Giuseppe Arcimboldo - 1590年 - 56 x 68 cm

ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像

油彩、カンヴァス • 56 x 68 cm
  • Giuseppe Arcimboldo - 1526/7 - July 11, 1593 Giuseppe Arcimboldo 1590年

皇帝ルドルフ2世は多趣味な人物で、政治は主要な関心事ではありませんでした。彼はハプスブルク帝国(太陽の沈まぬ国)の皇帝として、1583年にハプスブルクの首都をウィーンからプラハへ移しました。ルドルフは絵画の収集を好み、新作の前でうっとりしながら何時間も座って眺めていたと言われています。過去の素晴らしい傑作を入手するためには出費もいとわず、当時の腕の良い画家数名のパトロンにもなっていました。しかし彼の収集愛は、絵画や彫刻だけにとどまりませんでした。あらゆる類の装飾物、とりわけ機械で動く装置も作らせました。ルドルフはさらに、異国の動物を集めた動物園、植物園、そしてヨーロッパで最大規模の“驚異の部屋”(「クンストカンマー」)も所有しており、“自然界および人間による作品の、3つの王国”を併せ持っていたのです。それはプラハ城に収容されていましたが、増え続けるコレクションを収納するために、彼は1587年から1695年の間にそこの北棟を建てました。

今日紹介している絵は、ルドルフがパトロンをしていたイタリア人画家、ジュゼッペ・アルチンボルドの作品。まったく思いがけないこの絵で、ルドルフは季節を司るローマ神話の神ウェルトゥムヌスとして描かれています。想像通り、ルドルフは本作を非常に気に入りました。この肖像には帝国の寓意が込められています。アルチンボルドの四季の連作と呼応する本作で、皇帝はそれら全ての支配者のように描かれています。あらゆる季節の様々な花や果実は、皇帝の統治で黄金の時代が戻ってきたことを示しているのです。

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P.P.S. この絵がお好きなら、ジュゼッペ・アルチンボルドによるその他の魅惑的な肖像画もチェックすべきです!