プロバンスの会話、カーニュ=シュル=メール by Stella Bowen - 1936年 - 63.7 x 72.3 cm プロバンスの会話、カーニュ=シュル=メール by Stella Bowen - 1936年 - 63.7 x 72.3 cm

プロバンスの会話、カーニュ=シュル=メール

油彩/カンヴァス • 63.7 x 72.3 cm
  • Stella Bowen - 16 May 1893 - 30 October 1947 Stella Bowen 1936年

ステラ・ボウエンはオーストラリアの画家、作家。1918年初頭、作家のフォード・マドックス・フォードと知り合ったボウエンは恋に落ち、二人でイングランドの田舎に駆け落ちします。しかし、英国の田舎暮らしの苦労に飽き、1922年にパリに移住。カフェに集い、気ままに暮らす仲間たちと日々を過ごしたフォードは文芸誌を発刊し、パリの外国人作家の中で主導的な役割を果たすようになります。一方のボウエンは、初めて自分のアトリエを持って、絵の制作を始めました。 

時は1930年代後半のフランス。二人を取り巻く人々は芸術家や作家たち。ボウエンは、自身が「カンバセーション・ピース」と呼んだ、カジュアルな集団肖像画の注文を受けるようになりました。作品のほとんどは散逸してしまいましたが、このカニュでのひと時を捉えた作品には、プロバンスののんびりとしたライフスタイルに対するボウエンの憧れが投影されています。彼女はこう記しています。

1時半頃になると「ランチにしましょうか」と声がかかる。すると、誰かがニコライ夫人の店に向かい、焼きたてのバゲット、バター、ブラック・オリーブ、ガーリック・ソーセージ、それに食べ頃のブリーチーズを一切れ買ってくる。1リットルの赤ワインがあれば、これで充分ご馳走になる。いつ終わるとも知れない楽しい食事。午前中いっぱいを費やした芸術的努力に対するご褒美だ。

この作品には、ボウエンが大切にしてきたすべての要素が詰まっています。仲間との交流、温もり、会話。生気あふれる構図と柔らかく広がる光がリラックスした雰囲気を生み出し、それは画家の素早い筆致によって更に強調されています。

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