ドラゴンを倒す聖ゲオルギオス by Bernat Martorell - 1434/35年 - 155.6 × 98.1 cm ドラゴンを倒す聖ゲオルギオス by Bernat Martorell - 1434/35年 - 155.6 × 98.1 cm

ドラゴンを倒す聖ゲオルギオス

テンペラ/パネル • 155.6 × 98.1 cm
  • Bernat Martorell - 15th century - 1452 Bernat Martorell 1434/35年

中世の美術は、決して私の好みではないと思っていました。しかし国際ゴシック様式の名作には、たまらないほど本当に魅力的なものもあります。このドラゴンと、装飾的なすべてをご覧ください! 大好きです。

ベルナト・マルトレルは、15世紀前半の、北東スペインのカタルーニャの偉大な画家です。本作で描かれているのは、聖ゲオルギオスの有名な伝説の中でも最もよく描かれるエピソードで、モデルとなるキリスト教の騎士が町を守り、美しい姫を救うというもの。完璧な英雄物語です。優雅で装飾的な国際ゴシック様式で表されたこの絵はもともと、バルセロナのカタルーニャ自治統領館の教会へ作られたとされる、聖ゲオルギオスへ捧げられた祭壇画の中央部でした。

聖ゲオルギオスは白馬にまたがり、悪のドラゴンを打ち負かしています。正確に観察された細部の豊かさが、ドラマを増大します。毛皮の裏地のローブをまとった姫は、豪華な金色の冠を、波打つ赤みがかった金髪の上に載せています。彼女の両親や臣民が、遠くの城壁からその光景を見ています。ゲオルギオスの光輪と甲冑、鱗に覆われたドラゴンは、贅沢な立体感で表現されています。美しいですね。

P.S. こちらから、聖ゲオルギオスとドラゴンのまったく違う描写をご覧いただけます。東方の伝説からのものです。どちらがお好みか、比べてみてください。 :-)