池(オンフルール) by Félix Vallotton - 1909年 - 73.2 x 100.2 cm 池(オンフルール) by Félix Vallotton - 1909年 - 73.2 x 100.2 cm

池(オンフルール)

油彩/カンヴァス • 73.2 x 100.2 cm
  • Félix Vallotton - December 28, 1865 - December 29, 1925 Félix Vallotton 1909年

フェリックス・ヴァロットンは、私が初めてその作品を見た時に、自分の目が信じられなかった画家の一人です。

ヴァロットンはスイスに生まれ、フランスで活躍した画家、版画家。ナビ派に参画し、極めて精緻で輪郭のはっきりとしたスタイルの木版画で知られています。その作品は大胆なコントラストと、人間性の複雑さや人付き合いの繊細さを適確に捉える鋭い観察眼を特徴とし、19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパ芸術において重要な役割を果たしました。とても現代的で切れ味鋭いヴァロットン。私には、エドワード・ホッパーの芸術上の父のように思えます。二人は現実を見つめる眼が似ています。

今日はバーゼル市立美術館の協力で(今月は同館のコレクションの特集月間です)、テレビのサスペンス番組の犯罪シーンのような情景を描いた作品を紹介します。ヴァロットンが、フランスのノルマンディ沿岸部にあるオンフルールの漁村を初めて訪れたのは1901年の夏。1909年の夏からは、定期的に彼の地で過ごすことを習慣とし、オンフルールは画家のお気に入りの保養地に。そこでの夏の滞在は、ヴァロットンが風景画に回帰するきっかけを与え、海は頻繁に採り上げられるモチーフになりました。ヴァロットンは、このバーゼル市立美術館所蔵作品の下絵を描いており、そこには色に関する情報が鉛筆で記されています。

明日は4月。またお会いしましょう!ハッピー・イースター!

P.S. ヴァロットンは美術批評家としてそのキャリアをスタートし、アナーキスト・サークルにも関わっていたことをご存知ですか?ヴァロットンの生涯と、その謎めいた芸術についてはこちら