ラ・ギルランダータ by Dante Gabriel Rossetti - 1873年 - 124 × 85 cm ラ・ギルランダータ by Dante Gabriel Rossetti - 1873年 - 124 × 85 cm

ラ・ギルランダータ

油彩/カンヴァス • 124 × 85 cm
  • Dante Gabriel Rossetti - 12 May 1828 - 9 April 1882 Dante Gabriel Rossetti 1873年

今日紹介するのは、ラファエル前派を代表する画家の一人、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティが、同じ画家であり、デザイナーでもあったウィリアム・モリスと共に暮らしていたケルムスコット・マナーで1873年に制作した作品。中央の人物のモデルは、女優の卵だったアレクサ・ワイルディングで、天使の顔はウィリアム・モリスの娘メイをモデルにしています。制作当時、モリスの妻でメイの母ジェーン・モリスに熱を上げていたロセッティは、中央の人物のワイルディングの容貌にジェーンの特徴を微妙に添えることで、モリス家の女性たちの顔立ちを上手に描き入れています。

ロセッティの作品は、ハープや鳥で音を想起させたり、花を描くことで匂いを表現したり、多感覚な要素に富んでいます。後年の作品では、性の象徴として楽器を好んで描き込みましたが、この官能的な作品では直接的な表現を避け、代わりに象徴的なイメージ、鮮やかな色彩、細部の緻密な描写によって、魅力的なオーラを湛えた絵に仕上げています。ロセッティは、とりわけこの絵がお気に入りだったようで、視覚に訴える緑豊かな魅力と象徴性ゆえに「世界で最も緑あふれる絵」と自賛しています。

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