イザベラ・ステュワート・ガードナーの肖像 by John Singer Sargent - 1888年 - 190 x 80 cm イザベラ・ステュワート・ガードナーの肖像 by John Singer Sargent - 1888年 - 190 x 80 cm

イザベラ・ステュワート・ガードナーの肖像

油彩 キャンバス • 190 x 80 cm
  • John Singer Sargent - January 12, 1856 - April 14, 1925 John Singer Sargent 1888年

この絵に描かれているのは、アメリカの富裕な絵画蒐集家にして芸術支援者、そしてボストンにある自身の美術館の創設者であるイザベラ・ステュワート・ガードナー(1840年-1924年)です。ジョン・シンガー・サージェントはアメリカとヨーロッパで世紀の変わり目に活躍した画家ですが、ガードナーとサージェントは友人同士で、彼女はサージェントの作品を何点も集めていました。

サージェントの有名な作品「マダムX」に描かれた黒衣の女性と比べると落ち着いた感じがしますが、この作品はスキャンダルを巻き起こしました。当時のよくある夫人像と違って、この絵は顔が鑑賞する人に対して真正面を向いているために率直で大胆です。低く下がったドレスの胸元も視線を集めます。黄金とルビーのベルトも然りです。 人によってはこの絵を最初に見た時に、このベルトによって慎みを欠く部分に視線を誘導されることもあります。

華やかな金色の背景はガードナー美術館のテキスタイルですが、彼女の頭の周りに差す後光のように見えます。それは彼女の落ち着いたポーズと相まって、中世のイコンのような雰囲気を醸し出しています。ガードナーはエキセントリックかつ大胆で、大きな事業をすることが好きでした。しかし、夫は保守的な人物で、この絵が最初に展示された時に寄せられた批評を苦にしていました。彼は妻に、自分が生きている間はこの絵を飾らないように懇願しました。ガードナーは夫との約束を守りましたが、この絵は現在彼女の美術館でゴシックアートとともに展示されています。 

- アレクサンドラ