すすり泣く裸婦 by Edvard Munch - 1913〜1914年 - 110 x 135 cm すすり泣く裸婦 by Edvard Munch - 1913〜1914年 - 110 x 135 cm

すすり泣く裸婦

油彩、キャンバス • 110 x 135 cm
  • Edvard Munch - 12 December 1863 - 23 January 1944 Edvard Munch 1913〜1914年

エドヴァルド・ムンクが北欧出身で、19世紀の苦悩に満ちた伝説的な画家であるということは、嫌というほどに語られてきました。最も有名な作品である《叫び》のうちパステル画版は、2012年5月のサザビーオークションで、73,921,284ユーロで買い取られましたが、この絵には赤く不吉な空を背景に、男が苦痛の叫び声を上げるという強いトラウマを表現した情景が描かれています。不運とも言うべきか、題材や作品がもたらす響き、作風も驚くほど多様な、ムンクが生み出した数多くのスケッチ、絵画、印刷作品といった作品全体が、どういうわけか《叫び》シリーズによって影が薄くなってしまっているようです。

《すすり泣く裸婦》は、セザンヌの力強く叩きつけるかのような筆遣いと、マティスが用いた仕掛けを感じさせながらも、作風は完全にムンクのものという堂々たる作品です。女性、特に長髪の女性に着目して描かれた、他の大きな数作品とも並ぶ素晴らしさを有しています。ぞっとするような模様の壁紙と平面的な視点で描かれたこの部屋には、不穏な感情や閉所恐怖すら投影されています。不安と苦痛、それこそがこの絵の表している事柄なのです。