キリストとカナンから来た女 by Pieter Lastman - 1617年 - 76,8 x 106,6 cm キリストとカナンから来た女 by Pieter Lastman - 1617年 - 76,8 x 106,6 cm

キリストとカナンから来た女

油彩/板 • 76,8 x 106,6 cm
  • Pieter Lastman - 1583 - 1633 Pieter Lastman 1617年

今日は日曜日なので、アムステルダムのレンブラントハウス美術館の名作をもうひとつご紹介します!

アムステルダムの画家ピーテル・ラストマン(1583-1633)は、レンブラントがまだ若かった頃、彼の師であったことで有名です。しかし、ラストマンは1600年代初頭のアムステルダムで、聖書や神話の場面を得意とする画家としても成功を収めていました。イタリアで数年を過ごした後、1607年にアムステルダムにイタリア美術の専門家として戻ったラストマン。その作風にもイタリア美術の影響は色濃く現れ、例えば、歴史画を創作する際はイタリア風の風景画にこだわっていました。

この記事では、彼が1617年に描いた、聖書にある「キリストがカナンの女に出会う」物語を紹介します。キリストが弟子たちとともにタイロとシドンの町の近辺に滞在していたとき、一人の女性がキリストのもとにやってきました。彼女は悪魔にとりつかれた自分の娘を治してくれるよう、キリストに懇願しました。キリストは彼女に言います。「子供たちのパンを取って犬に与えるのは、正しいことではありません」。しかし、それに対して彼女が「犬はテーブルから落ちたパンくずで喜んでいるのです」と答えると、キリストは彼女の信仰を讃え、娘を治したのです。

ピーテル・ラストマンは、この物語を構成するあらゆる要素を、実に文字通りイラストに起こしました。右側にいる本を小脇に抱えた人物は、おそらくこの物語を書き記した伝道者マタイでしょう。人物像が画面上に丁寧に配置された古典的な構成は、イタリア美術のそれを思い起こさせます。この作品は、レンブラント美術館の旧玄関ホール(来客が出入りする部屋で、画商として商売をしていた部屋)に展示されています。