引き続きボナール美術館で開かれている「ボナールとヴュイヤール展/ゼイネブとジーン・ピエール、マルシー・リビエールのコレクションより」からご紹介いたします。この展覧会は9月17日まで、ゼイネブとジーン・ピエール、マルシー・リビエールによる蒐集品で、現在はオルセー美術館が所蔵している油彩画と素描を見ることができます。お楽しみください!
エドワール・ヴュイヤールは初期の段階から室内の絵を描いていました。この絵の構図はナビ派の典型的なものです。
「ドアノブに手を置く若い女性」で描かれているのは彼の家庭の情景です。不器用で恥ずかしがり(醜いといっても過言でない)姉マリーの容貌は、ドアを開けようとしている若い女性に独特な魅力を添えています。ポール・フォールの芸術座設立に立ち会った芸術家たちに影響を与えた、象徴主義演劇作家の夢見心地で優雅な演目にはこのようなテーマへの強い共感が見られます。この絵では女性の姿と背景の間の曖昧さや絡み合いが効果的で、象徴主義演劇の主要な特徴でもある真実は徐々に明らかになるという思想を表現していると考えられています。マリーは黄土色の背景に向かって立ち、彼女のドレスの斑点がそこに溶け込んでいます。