グスタフ・クリムトは優雅で洗練された中にも随所にエロチシズムを感じさせる作品に自身の内面を表現する手法で新たら境地を拓きました。快楽主義者として物議をかもしていたクリムトですがウィーンの上流階級の夫人達からの肖像画の依頼をいくつも受けていました。そしてこれらの肖像画の仕事によって名声を得たことによって彼は独立を果たしました。富裕層の婦人達やモデルを描くにあたって、彼は周到にデッサンをして備えました。そのようなデッサンの数々は画家のプライベートな作品で公にする前提では描かれていません。素早く、豊かな筆致の中で彼はモデルにしばしばエロティックなポーズをとらせています。この『帽子をかぶった肖像』に見られるような洗練されたウィーンの女性像は彼の晩年に描かれたものです。この絵は現在プラハ国立美術館にあります。正面を見据え、軽くまぶたを閉じ、力強く丸みのある顎の女性。これは彼の女性像の特徴です。 リラックスした中にも自身溢れる筆遣い。彼のテクニックの確かさが表れています。
今日の作品はプラハ国立美術館のものです。私の大好きな作品です!
追記 グスタフ・クリムトは1862年オーストリアに生まれ、美術史上最も大切な画家のひとりです。こちらもご一読を!