今日の作品はコペンハーゲン国立美術館のご協力により紹介します。『レント・懴悔節の諍い』です。お楽しみください。
ピーテル・ブリューゲル(父)は16世紀ヨーロッパの偉大な画家の一人です。彼の作品には同時代のルネッサンス古典研究と、初期オランダ絵画特にヒエロニムス・ボス(1450年から1516年ごろ)の影響が見られます。ブリューゲルの絵はボスの宗教的で厳粛な絵画の世俗版という人もいます。
今日の作品は、灰の水曜日とそれに続くイースターまでの40日間のレントと、それに先立つ世俗にまみれた日々のコントラストを描いています。このテーマは古く13世紀に遡るフランドルの伝承に基づいています。この作品の中で、ブリューゲルは両極端な人間を寓意的に描いていますが、今までとは違う視点で描いています。下品で不信心な者の方が絵の中心にいるのです。
この絵についての最初の記録は1718年の目録で確認できます。それはローゼンバーグの冬の間にあった珍品陳列室のリストです。ここでこの絵は他の絵と並んで加工品や自然の産物とともにキャビネットに展示されていました。この絵はブリューゲルがメヘレンで働いていた1550年から1551年の間に学んだ水彩画法を使って描かれています。