この作品は、冬の日の荒海を描いています。遠景の断崖はエトルタ(セーヌ・マリティム県)にありますが、モネは1864年から65年の冬の間、当地によく滞在していました。モネはこう書いています。「気分がいい時は、石の上に座って過ごしている。もちろんずっと絵を描いてね。」 画家は、1883年の2月にホテルの窓から見たこの風景を絵にしました。
前景には2人の漁師が舟のそばに立ち、3艘のカロージュ(ひっくり返して貯蔵庫として使われている古い船体)が肩を寄せ合うように浜に並んでいます。遠くの空を覆う雨のカーテンを背景に立つ断崖の姿は観る者の目を惹きつけ、水平方向の筆致は断崖の地層を際立たせています。この絵の中心を占める海面が強風にあおられて白く波立つ様子は、素早く、力強いタッチで表現されています。
素敵な土曜日を!
P.S. クロード・モネの浮世の世界について知りたい方はこちら :)