美人観書 by Uemura Shōen - 1941年 - 53 × 66 cm 美人観書 by Uemura Shōen - 1941年 - 53 × 66 cm

美人観書

絹本著色 • 53 × 66 cm
  • Uemura Shōen - April 23, 1875 - August 27, 1949 Uemura Shōen 1941年

女性史特集月間が続きます。今日は、美人画で知られる日本の画家、上村松園の作品。松園は繰り返し言っています。「私は、女性はただ「美しく」あればいいと考えて描いたことは一度もありません。私の願いは、下品なところがなくて、宝石のような透明感があり、上品で洗練された女性を描くことです。」 

1949年に亡くなった松園は、男性が支配的な職業を生業とした、当時としては珍しい女性でした。女性という「アウトサイダー」であるが故に、モデルである女性を深く理解し、男性の画家とは異なるアプローチで描いた松園。男性の視点で作られたオブジェとしてではなく、外見に加えて内面の美しさまで伝わってくるような、思考と感情を持った対象として女性を描くことで、作品の質を高い次元に引き上げたのです。

女性の美を純粋に表現しようとした松園の絵画は、軽快なタッチと深い情感を併せ持つのが特徴。読書に夢中になっている日本美人を描いた今日の作品は、その好例です。 

P.S. 日本のアートがお好きな方は、日本のアートのポストカード50枚セットはいかがですか。

P.P.S. 北斎や広重だけが日本のアートではありません。野口小蘋など女性の画家も数多くいました。