サルダナパールの死 by Eugène Delacroix - 1844年 - 29インチ x 32 7/16インチ サルダナパールの死 by Eugène Delacroix - 1844年 - 29インチ x 32 7/16インチ

サルダナパールの死

油彩、キャンバス • 29インチ x 32 7/16インチ
  • Eugène Delacroix - 26 April 1798 - 13 August 1863 Eugène Delacroix 1844年

1798年の今日、フランス・ロマン主義運動をするものとして画家人生を歩み始めたことで知られる、ウジェーヌ・ドラクロワが生まれました。この機会に、ドラクロワの中でも最も有名な絵画のうちの一つをご紹介しようと思います。 :)

この絵画の主題は、バイロン卿が1821年に書いた、古代アッシリアの王サルダナパールの生涯についてのドラマチックな戯曲が元になっています。王宮が敵に包囲されたことを悟ったサルダナパールは、自ら命を絶つことを決断し、その前に最愛の所有物を全て――妻たち、書物、馬や犬に至るまで、目の前で破壊するように臣下に命じたのです。ドラクロワはこの絵画を、1827~1828年のサロンで初めて展示し、酷評を浴びることとなりました。

ドラクロワの《サルダナパールの死》が議論を生み、評価がきっぱりと別れたのはただ一つの理由によるものです。それは、この絵が新古典主義の絵画ではないと言うことです。ドラクロワが主題とした人物はサルダナパール、つまり自らの火葬のために、人々や豪華な品々といったありあまる富を全て破壊し、血と共に燃やし尽くそうとする王です。決して英雄と呼べる人物ではありません。ドラクロワが描いたサルダナパールは、落ち着いた色彩と厳格な空間の描き方、そして全体的に倫理にのっとった主題を好む新古典主義に対する、アンチテーゼだったのです。またドラクロワは奥行きを縮めて描くことで、死を描いたこの場面を鑑賞者のいる空間へと傾けたのですが、これはアカデミーによる伝統的な絵画における落ち着いた秩序とはかけ離れたものでした。ある批評家は、この絵を「醜さへの狂信」と呼びさえしました。 

この絵は、現在ルーブル美術館に所蔵されている、これよりもさらに大きな作品の複製画です。ドラクロワは、より大きいほうの作品を1846年に売却する前に、自分用としてこの複製画を描いたのかもしれません。

2018年7月23日まで、ルーブル美術館ではサルダナパールの作品のみを展示する大展覧会が開かれます。この展覧会はその後、メトロポリタン美術館でも行われます。今年一番重要な展覧会の一つです!

DailyArt Magazineの「今日の記事《民衆を導く自由の女神》」で、ドラクロワの最も有名な作品についてお読みになることをお勧めします。